俺、コート上で、あいつに勝てるの?



まだ、本格的にバスケを始めて2ヵ月の俺が…?



「あーもう!やりたい!バスケ、やりたい!早く戦いたかっ!」



俺も、泰ちゃんも、行雲先輩でさえも空気に呑まれている中、一人、闘志メラメラの男。



「ぴ…ピカ先輩?」



「ぎゃん強かチームに、勝てるんよ、明日!早くバスケがしたかよ、観てるだけじゃつまらんわ!」



それは、アメリカに留学していた、間違いなく天才であるピカ先輩だからこそ思える、強気な願望。



「ああー、あのリングに、ワンハンドでね、こんちっちゃか身長で、ダンクばブチ込むん!そしたらチームも流れ良くなってさぁ!サイコーやない?ねー、椿ちゃん、俺にダンク打たして、明日!いいやろ?」



165センチの、有り得ない程の跳躍でかますワンハンドダンク。



いつも、流れを引き込むときに必ずピカ先輩がかますあれ。



見たい。打たせたい。明日、慧心のあのゴールリングに。