泰ちゃんの話に行雲先輩が振り返る。



「負けた試合観て水高来ようと思ったとか、なんか凄かなぁ泰河」



「実は、肥後学と慧心から特待の話も来とったとですが、あの試合で、なんてか、水高勿体無いなって思ったとですよ。オフェンスは凄いのにゴール下はずさんやったし。俺なら、少しは役立てる気がして」



「一理あるね。泰ちゃんと行雲先輩いなかったら、うちって結構ディフェンスヤバイし」



まあ、秀吉キャプテンがパワーなくても技術力と経験でディフェンス出来んのは例外として、だけど。



ちらりとピカ先輩を見やると、ピカ先輩もこちらを振り向き、ニヘラ、と笑う。



「あーれぇ、特にヤバイのって俺やったり?」



「他にいんの?」



『いないかぁ』何てへらへらしながら目線を戻すピカ先輩に、なんとなく、シメ技かけたくなる秀吉キャプテンの気持ちが分かった。



あんたが穴になるんだぞ、明日は。



まあその二倍くらい、取り戻すんだろうけどさ、オフェンスで。



そうこうしてるうちに、下のAコートでの試合が始まった。