あからさまに顔から疑問を滲み出した俺に、秀吉キャプテンは柔らかく目を細める。



「大した病気じゃないから心配するな。俺のシュートは少し独特みたいでな。ショット時、回転をかけるように3ポイントを放つ癖がある。それが原因で、中三の時に患った。俺の場合、人差し指の痺れが酷くてな」



そうか、じゃああの弧を描くようなボールの軌道には、微量な負荷が掛かっているんだ。



「インターハイの後、手術するつもりだ。今後もバスケがしたい。だから、それまでは、これとの戦いだな」



「そ、そんな…」



でも、今すぐ手術したら、うちの中心柱の秀吉キャプテンがいなくなる。それは水高バスケ部には相当な痛手だ。



「俺は今、抜けるわけにはいかない。個人的な約束もあるからな」



「それって、さっき由貴先輩と話してた、有ちん先輩と由貴先輩との、約束?」



秀吉キャプテンはその小顔を微かに縦に振る。



「…俺とあいつらとの話をしよう。十六夜は、俺の家の向かいに住む、幼馴染みってやつだ。由貴は、十六夜の………妹だ」



成る程ねえ……………っては!?