「秀吉キャプテン、寛ぎながらで良いんで、その、俺の聞きたいことに答えて下さい」



アップルパイを口に含み、むぐむぐと頬張っている秀吉キャプテンが、こちらを見る。



「さっきの由貴先輩との意味深な会話とか、有ちん先輩のことなんでさっきは呼び捨てしてたのに普段は名字呼びなのかとか、聞きたいことはいっぱいあるんすけど…」



でも、俺が聞きたいのは、やっぱり。



「………その、右手。痺れているんじゃないかって肥後学の高森が。ホント?」



俺の質問に、動揺することなくミルクティーを飲む秀吉キャプテン。



「あまり皆を心配させたくなかったから言ってなかったんだけどな」



少しだけ困った顔をして、俺の頭をわしゃわしゃ撫でる秀吉キャプテン。



「俺の手は、手根管症候群という病気なんだ」



しゅ…手根管症候群?