親父の車までダッシュし、秀吉キャプテンには少し小さい俺のジャージを羽織らせ、車に押し込む。



「うわ、君びちゃびちゃ!うちに着いたらシャワー使ってな!」



「すみません、ありがとうございます」



その丁寧な秀吉キャプテンの受け答えに、親父は『曜君や行雲君より落ち着いてるね』と爽やかに笑った。



「親父、悪いんだけどうち着いたら俺の代わりにスーパー行って。ラインで買うもの送るわ」



「えー、俺アッシーじゃん」



「文句があるなら晩飯作んないよ。俺ラーメン食ったからいらないんだよ今日」



ブー垂れていた親父だったが、晩飯発言に『マジ勘弁』と頭をかく。



そんな俺達の会話に、秀吉キャプテンがごく自然に、微かに吹き出し、笑う。



「なんすか、キャプテン?」



「いや…『マジ勘弁』って口癖、遺伝なんだな、と思って」



俺達よりクールで、ポーカーフェイスな秀吉キャプテンだけど、こうやって些細なことでも笑えるんだな。