『………多分、冷泉さん、右手のどっか、痺れとったとじゃなかろうか』



「……っとに!何してんだよ、あの人は!」



俺は部室棟の屋根の続く外廊下から、外のバスケットコート近くまで走る。



普段、再三俺達にやれ休むことも体調管理だとか抜かしてるくせに!



無論、俺は止めるために秀吉キャプテンの元へ行ったの、だが。



声をかけることが、出来なかった。



普段、スマートなポーカーフェイスで佇む秀吉キャプテンが、歯を食い縛り、決して弱くはない雨の中、シュートを打っているのだ。



あんな顔、どんなにキツい練習メニューの時でも、見たことなんかない。