私は朝早くに目が覚めれば小鳥のさえずりが聞こえる室内庭園へと向かった
お母様が育てたバラや…コスモス…
色々な花が庭園を楽園と変えて…

私はここが好きだ…
なんか冷たい色の花があるときは私が落ち着いているとき…
また暖かい色の花があるときは私がハッピーなとき‥

この庭園と私の心境が一致することがよくある
だから…好きだ

「お母様…私の心読める?」
お母様が一番好きだったひまわりの花に話しかける
私は静かに目を閉じれば両手を祈るように組み合わせ少し俯いた

「私…分かんなくて…気持ちがごちゃごちゃで…」

組み合わせたまま目を開けてひまわりを見つめれば
太陽へと向かって伸びるひまわりが今の私より誇らしく思えた

「私って…浮気者かな…?」

そんな事を呟けば自分の部屋へと向かおうとした時
後ろを振り向けば神山が上着を持って立っていた
私は神山に駆け寄ればひまわりを見つめ微笑んだ

何故か少し心が軽くなったような気がして…

「ねぇ…神山、今日学校休んでいい?」
「ウイルスは俺にうつしてもらわないとな…」

神山は可笑しそうにクスッと笑っては私の掌を優しく握った
私も微笑み返しては少し握りかえしてみた
その時の神山の顔は気恥ずかしくて俯いていたから
あんまり覚えていない…

「あっプリン食べたい!」
「二個食うなよ…」
「神山と一個ずつだもん!」
「…おう…」

おう…という返事が夢の中に出てきている男の子と
少し似ている…

気のせいか!私は冷蔵庫に向かうとプリンを二つ取り出せば
神山に差し出した

「夢の中でもプリン食べてたくせに♪」
と少しからかってみた…すると

「…///…」
神山の顔が珍しくほんのり紅くなった…
そんな意外な一面もあるんだ…
神山とは4年くらいの付き合いだけど…まだまだ知らないこともたくさんあったんだな…
なんか少し悔しい…

時刻は昼過ぎ…
ほんの数分前に私は眠りにおちていた…けど
熱のせいか、なかなか寝れない…
私は水を飲みに行こうとキッチンに向かった
私の空耳か…?
キッチンの方からやけに男女の声がする…

「ちょ…ん、…//」
「ん…」

私はお父様に見つかったらどうなるのかと思いつつも邪魔にならないように水を取りに行った
私は少し興味があり…顔だけをのぞかせると驚きすぎて腰を抜かしそうになった
それと同時に流星先輩の時よりも強く苦しい胸の痛みが襲ってきた
これは…病気かな?…恋と言う…病気?

その時…私はやっと気づいた…
好きになってしまったのだと…
誰のことが…?


神山のことが…