今日も都会の街を淡々と車が目の前を通り過ぎてはびゅんと音を立てては通り過ぎていく
私の学校は色々な個性的な人が集まっている
廊下を一歩歩けばむっちゃカラフルな服を着た人
また逆に地味な人も…
でもみんな生まれてからずっとこういう立場なんだ
私は時々嫌になるときがある
「ごきげんよう…」
通りすがりに私は毎回と言ってもいいほど頭を下げられる
なんか格差っていうか…
そういうものが生まれつつあるみたい。
そういうことは私は苦手と言うか…嫌い。
「美月様!…ごきげんよう!」
三人ぐらいの集団が腰を低くしながら私に頭を下げる
そんな相手に…
「ごきげんよう…」
と返すしかない。上であんなにえらいこと言ったのにね…
私はまだまだ弱いのかもなー…
そんな少し裏では濁ってしまったような世界に一瞬だけ光が差す時がある
私の大好きな先輩かつ私の片思い中の相手でもある
「流星先輩!…」
廊下に私の声が何回もこだまする。
そんな私に振りかえっては笑顔を見せてくれる
流星先輩は学校のアイドルで爽やかな笑顔が特徴的
「美月じゃん、どうした?…」
「いや先輩の姿が見えたから」
思ったままのことを口に出してしまい
私の頬が紅く染まる//…
「あっ、あの…、その…」
「大丈夫だよ、」
あたふたしている私を先輩は優しくフォローしてくれる
流星先輩を好きになった子なんて…何人もいるだろうな…
いや地球上全部が好きになっているかもしれない!
「じゃ部活あるから…」
「あっ、はい!!」
今日も朝から先輩と喋れたことが嬉しくて
ぴょんぴょんと飛び跳ねる
周囲からは何この人…的な視線が向けられているが一切気にしない私
そんなテンションが高い私は少し落ち着きを戻してから
教室へと足を踏み入れた
季節は春…
まだ長袖でも春の温かい温度と緩い風が丁度いい…
私は授業を受け流しながら窓の外の桜の木をじっと見つめた
はらはらと舞い散るこの季節の桜はなんだか好きで
この桜は誰かと見たことがあるようで‥
私は静かに目を閉じた
するとふいに窓を開けていたせいか
一枚の花びらが私の頬にくっついた
目を開けてその花びらを掌にのせてみれば
淡いピンクのハートのようだった
そんな花びらに思わず笑みがこぼれてしまう