ただ単に…普通の恋愛がしたいだけ…
どうしてそんなに神様は不公平なのか
今日も眩しい光とともに朝がやってくる
「眩し、…」
私は思ったことをそのまま口に出せばゆっくりと起き上がり
パジャマの間からお腹が出ているということすら知らなかった。
…三枝美月、17歳のぴちぴちの高校生♪
でも普通の高校生とは一味違うんだな…
それは…
「おはようございます、お嬢様…」
と廊下に綺麗に一列に並んだお手伝いさんたちが一斉に頭を下げる
そう私は三枝家に生まれ毎日綺麗な着物やドレスを着て過ごしてる
この世の中に生きている人の90%はお嬢様と言えば…
執事…
だと思う。執事と言えばひつじに間違われまたぴしっとしたスーツに身を包み
お嬢様の斜め後ろに立っている…
でも私の家系は違うのだ。私の専属の執事は神山蓮
こいつは朝っぱらからグダグダして…
確か廊下にも並んでなかったような…?
あっ、いた…
「何やってんのよ!」
「ごちゃごちゃうるせーな…。」
「あぁ!!!」
私は神山の机に置いてあるプリンが空になっていることに気づいた
それは、私が昨夜食べるのがもったいないと思って残してあった可愛い兎ちゃんのプリン!!
しかも神山はチョコレートが嫌いなので兎ちゃんの目の部分が…
「何してくれてんのよ!!私の兎ちゃんプリン!!」
「は?…兎ちゃん?そんな知らねーし」
こいつは本当に呑気で気ままなやつだ
「お父様に言っちゃおうかなー?」
「それ言ったら…どうなるか分かる?」
と口元に弧を描いて神山がニヤリと笑う
私がその口元に目を奪われていると
神山は私の腰を緩やかに引き寄せては顔が残り1㎝…
「離してよ!…」
「…」
神山は一瞬顔を背けてはまたスーツの上着で顔を隠せば
ソファーにどてんと寝転がっては静かに寝息をたてはじめた
でも一瞬悲しそうな表情をしたのはなぜ?…
君の笑顔にドキッとしてしまう私がいる。
この胸のどこかに…