明るくなったことで、自分の状況がやっとわかった。

……思った以上に、拘束されてる。

両の手首には銀色の手枷。

それについた鎖は背後の壁まで伸びていて、その鎖の長さではどう頑張ってもこの部屋からは出られない。


そして、部屋に入ってきた人の顔も見えた。

背の高い、金髪の若い男。

端正な顔立ちは、精悍さよりもどこか中性的な繊細さが印象に残る。

窓際に立ち、ぺたりと座りこんだままの私を見下ろす男は、とても冷たい目をしていた。


「……ふぅん」


品定めするような不躾な視線。

自分を守るものが頼りない薄手のワンピース一枚であることも手伝って、なんだかいたたまれない気持ちになる。

どうやら私の服も持ち物も全部、取り上げられてしまったらしい。

なぜこんな格好をしているのか、さっぱり覚えがなかった。



「おまえが、フレイ嬢ね」

たいして興味もないような声で、男は私の名前を呼ぶ。


「……あなたは」

あなたは誰なの、と問いかけようとして、まるで久しく喉を使っていなかったような、掠れた声が出た。