「……サユが帰ってくるのを、ずっと待ってる。
どんなに歳を重ねたって、俺がサユのことを好きだっていう気持ちは変わらないから」
涙交じりのカノンの声。
胸に強く響いて、堪えていた涙が零れおちそうになる。
その衝動を必死に堪えて、私は首を横に振った。
……ありがとう、カノン。
あなたの恋人になれて、幸せでした。
だからね、待つなんて言わないで。
自由を縛られるのは、私だけで十分だから。
「……ありがとう。でも、いいの。
一生の別れじゃない。また逢えるって、信じてる。
……だけど次逢うときはきっと、私たち今とは違うんだよ。きっと、いろいろ変わってるの。
だから、私のことずっと好きでいて、なんて言わない」
……次、いつ逢えるのかも、本当に再会できるのかも、わからないから。
でも、でもね。