俺は、ガッツポーズをするより先に、涙を流していた。今にして思えば、涙もろい男だ、俺は。
感謝の言葉も出なかった。言葉にできなかった。何とも言えないこの感情が、俺の心を染めていった。嬉しさももちろんこみ上がっていた。これで、凪沙は解放された。いや、それだけじゃなく、千華も解放されたんだと思うと、もう何の言葉も出なかった。長い長い1日が、ようやく終わった気がした。