「先生…お願いします…!」
俺の叫びは、周りに聞こえてしまいそうなほど心の中で響いた。
5時間が、長く感じられた。一日千秋という言葉を誰かが言っていた。なら、208秋ちょっと、俺は待ったわけだ。
手術室から、ベッドに寝たままの凪沙と、三ツ国先生が出てきた。
「先生!凪沙は…?」
先生は何も言わず、親指だけを立てた手を、腕ごと前に出した。