「じゃあ…行ってきます。5時間後に、また会いましょうね。」
「ああ。待ってるよ。」
手術室の手前で、俺は凪沙を見送った。
あの紙を出してすぐ、凪沙の手術が始まった。「神の手」と呼ばれる名医、三ツ国雅教先生の手によって。
そう。三ツ国先生は、現役の脳外科医だったのだ。学校を辞めた後、この病院に戻ったらしい。