「ん?」
千華が出したのは、ラッピングされた箱だった。サンタやトナカイ、ツリーなどが描いてある、いかにもクリスマス用の袋だ。
「見れば分かるでしょ?クリスマスプレゼントよ。」
そういえば、今日はイヴだな。受験勉強が忙しくて、すっかり忘れていた。
「アタシ、これ渡しに来ただけだから。」
そう言うと、千華は部屋を出て、帰っていった。俺は、千華に礼の1つも言えなかった。