俺は歌声の方を向いた。
「窓の雪…。」
「千華…?」
「せいか~い。」
千華が俺の方に近づいてきた。
「ク●コーチか?…って、どうしたんだよ?」
「ちょっと散歩してるだけ。」
「受験勉強は?」
「だってアタシ、大学行かないもん。」
「そ、そうか…。」
千華は寒そうに、手袋をした手をこすっていた。
「…俺ん家、来るか?寒いだろ?」