「勝たないと…。」
「え?」
百瀬井が下を向いて言った。
「勝たないと私…。」
「…何?」
「クラスを…守れない…。」
「クラスを…。」
「守る…?」
「どういうこと、詩穂?」
百瀬井が、ようやく顔を上げた。
「知ってるでしょ、私のクラスの事情…。」