そんな俺の甘い考えが、俺自身を呪った。
凪沙まで、あと5メートルほどの距離になった時だった。小野田が、俺を抜いた。それは別に何の不思議もないのだが、問題はそのあとだ。小野田を抜かそうと前傾姿勢になりすぎるあまり、俺は見事に転んでしまったのだ。
俺の体に激痛が走る。立ち上がろうとしても、体が言うことを聞かない。