すると、意外な答えが返ってきた。
「私には姉も妹もいませんけど?」
「え?」
「はい。」
「じゃあ、あの部屋は?」
「私にも分からないんです。あそこが誰の、何のための場所なのか。」
「え…?」
疑問を残しながら、俺達は早乙女邸を後にした。月はいつもより少し暗く揺らいでいた。