俺は素直に嬉しかった。国語の成績がたたって上手くは言えないけど、ただただ嬉しかった。千華が、こんなことでも思い出として記憶してくれているということが。
後ろから声が聞こえる。
「あの2人、いい感じじゃん?」
「もう付き合っちゃってもええんちゃう?」
「何だよ、俺は別に…。」
「ちょっと、竜之亮くん。」
立ち上がろうとする俺を、千華が止める。そして、俺に耳打ちをした。
「ホントに好きじゃ、ダメ?」