花火は次第に数が増え、気づけば満天の花火空になっていた。
「ねぇ。」
千華が俺の方をを見て言った。
「ん?」
「こうやって一緒に花火見るのって、何年ぶりだっけ?」
「花火?そんなの一緒に見たことあった?」
「忘れたの?あったじゃん、10年前に。」
千華が転校する前日、近所で花火大会が行われた。
その時は、クラスメートのほぼ全員が参加していた。