凪沙だった。
まだ夏祭りには少し早い午後6時半、凪沙が、戻った。
「えー、それではここで、サプライズゲストの早乙女凪沙さんに、改めて開会の辞を述べて頂きます。」
先生がマイクを凪沙に渡す。凪沙は少し驚いたような表情でそれを受け取った。知らされていなかったのだろう。
「えっと…夏祭り、遅ればせながらスタートです!」
皆から、笑いと拍手が起こった。