「家から出ていけ」…。
こんなことを言う人が、今時いるのか。いや、そんなことは関係ない。
「何でだ!?」
「うん…。」
千華は少し怯えた様子で話し始めた。
「お爺ちゃんにね、『お前は本当のお前じゃない。昼間の記憶が無いからってこっちまで迷惑してるんだ』って…。」
千華は泣いていた。涙が頬を伝い、月に照らされていた。