「竜之亮くん。」
震える俺にかけられた声は、先生の怒号ではなく幼なじみの呼びかけだった。
「千華…?」
俺はゆっくりと振り向いた。
「ゴメン、びっくりさせちゃったかな?」
この状況を分かっているのかいないのか、千華は小声で話す。
「ど、どうしたんだよ、こんな遅くに…?」
すると千華は恥ずかしそうに言った。
「ちょっと…いいかな…?」
千華は小さく手招きした。