門の先は、広い庭園だった。
数えきれない程の花、美しく月や星を映す池。俺もいつか、こんな家に住んでみたいと思った。
俺達が内側の扉に立つと、扉が開き、中から執事風の男性が出てきた。
「どなた?」
「あ、あの、僕達凪沙の友達なんですけど、これを…。」
直樹がそう言ってあのバッグを渡した。すると執事さんが
「これはご丁寧にどうも。どうぞお上がり下さい。」
と言ってくれたので、俺達はお言葉に甘えることにした。