「早く着替えて来いよ。」
肩を叩かれて振り向いた。そこには、既に水着に着替えた直樹の姿があった。
「い、いつの間に…。」
俺が言うと、直樹が笑いながら答えた。
「いつって、ついさっきに決まってるじゃん。そこのトイレ、今は誰もいないから、そこで着替えて来いよ。」
そう言って直樹が指差したのは、古い公衆トイレだった。
俺は指差す方向とは反対側の更衣場所へ走った。