「タイセツな人が呼んでるから、そろそろ帰るわ。――なぁ、」
「は、い……?」
「どうだった?お菓子のようにあま~いイタズラの感想は」
「へっ?」
どういうマジックや原理かは知らないが、少年から青年へと姿を変え、私に対して甘い台詞を放ったのは――イタズラだったってこと?!
そうと分かると、急に足の力が抜け、へなへなとその場にしゃがみこんでしまう。
「イタズラ成功、だな。じゃあな」
そうして彼は、私に背を向けてどこかへと消えていったのです。
――私が体験したこの出来事が現実なのか夢なのか、分かりません。
ですが、もしも現実だったのなら、この話を聞いた皆さんは気をつけてください。
ハロウィンの日になると、こんなイタズラをしかけてくる奴がいるんだってことを……。