「キミは……お菓子を選ぶんだねぇ?」

 確認をするかのように問い掛けてきた彼に対し、私はコクンッとうなずいた。
 何があろうと、私はこの選択を変えるつもりはない。
 自分が選んだこの選択。自分の意志を信じなくては。

「キミさぁ……お菓子を“もっていない”クセに、お菓子って言っちゃうんだー?」

 え?

「ねぇ、知ってる?ウソツキは泥棒の始まりなんだってねぇ?」

 彼は、人の何倍もの大きさのある鎌を取り出し、身構えた。
 私はその大きさに腰を抜かしてしまい、身動きが出来ない。動けない。
 彼はニタリと笑いに歪ませ、その鎌を振り上げ――。

 いやいや、だってあなた、最初に「ボクの言葉を聞くだけ」って言っていたじゃないか!そんなの持っているワケな…――。

「泥棒は始末しなくっちゃ」

 ブンッ、と、振り下ろしたのです。