り、留年!?嘘でしょう!いや、でも無理もないか。
 なんせ私は2年になってから学校へ行ってない。さすがにテストの日は行っていたけれど、いつ留年してもおかしくない。



「まぁいいんじゃね?留年しても」

「は?どういうことよ」

「だってお前はこの店継ぐんだろ?」



 斎藤はキョトンとした顔で呟いた。
 この店を継ぐ…。そんなこと今まで考えたこともなかった。 そうか、そんな将来もあるのか。



「ま、とりあえずこれやるよ」


 そう言って渡されたのは、明日の時間割が書かれたプリントだった。
 斎藤は私が学校に行かなくなった日から、毎日律儀に届けに来ている。
 お陰で自分の部屋の段ボール箱はプリントでパンパンだ。



「…あのさ、こういうの、もういらないから」

「こういうのって?」

「だから、時間割のプリントとか…いらないし。わざわざ届けに来なくていいよ」