柴おじちゃんは左手にビニール袋をぶら下げていた。



「こんにちは、柴おじちゃん。今日も寄ってく?」

「あぁ、お茶でも一杯飲もうかと思ってね」



 そう言って柴おじちゃんは、糸のような細い目を垂らしてふにゃりと笑った。

 暖かい気候も手伝って、思わずこちらまでふにゃりと柔らかくなってしまいそうだった。


 ふと、柴おじちゃんが手からぶら下げているビニールに視線を落とした。その中にはおそらく、タエさんへの貢ぎ物が入っている。

 大方ボールペンやノートといった文房具ばかりなので、実際貢ぎ物を貰っているのは私だったり。