「……佐久間？」



ゴホゴホと急にせき込みはじめた佐久間。



せき込むようなこと言ったかなと思って身体を離そうとすれば、それを阻止するように腕の力が込められた。


どうやら離れるのはダメらしい。



「ちょ、佐久間！？」



一寸の隙間もなく密着した私たちは、そのまま壁の方へと後退。



そのせいで、私が佐久間をもたれているような、なんとも言えない恥ずかしい体勢になってしまった。




「ちか──」



「好きなんだけど」



「い………って、え……？」




今、なんて言った？



片耳が佐久間の身体で封じられてるせいか微かにしか聞こえなくて。




「……佐久間？今……」



もう一度聞き直してみる。



すると、抱きしめられていた腕がフッと緩んで、少しだけ身体が離れた。



起き上がった私の目の前には佐久間の真剣な顔があって、開いた口が自然と唇が結ばれる。






「相原のことが好きだっつってんの」