「……っていうか、佐久間は大丈夫なの?」
高崎さんに殴られた背中、結構強く殴られたと思うんだけど……。
「大丈夫だよ。痛かったのはあん時だけ」
「……そっか」
痛くないんだったら良かった。
ほっと安堵のため息を吐いて、佐久間の肩に顔をうずめる。
……っていうか、もう一つ思い出した。
「ばかっ!突然無視しないでよね!私……」
嫌われちゃったと思ったんだから。
その最後の言葉は佐久間の力強い腕によって消されてしまった。
「……ごめん」
再び佐久間の腕の中に戻って、強く抱き締められる。
「……謝るならするな、ばか」
「……だな」
ハハッと笑った佐久間にむっと頬を膨らませるけど、佐久間に見えてないから意味がない。
でも、顔が赤くなってるだろうから、良かったと言えば良かったんだけど。
「……高崎さんから伝言があるんだけど」
「なに?」
「“もう瞬くんの大事な子を傷付けることはしないから。これからも護ってあげてね”」
「……っ」