「ちゃんと謝ったよな……」



そんな小さな声は、おかずと共に飲み込まれた。



◇◆◇



「よっしゃあー!欠点まぬがれた!」


「あぶねー……欠点すれすれ!」


「おまっ……一桁かよ!?」


「そう言うお前だって、ギリ二桁だろ!」



そんな会話だけがやけに耳に入るテスト返却の時間。


……たぶん男子の声がでけぇからだよな。




「………」



なんて思いながら、俺は黙って自分の答案用紙に目を落とす。