さっきとは一変、マジメな顔つきになった大輝。


なんだ……?

野々宮のことじゃねーんだよな?




「お前さ、キス魔なんだよ」


「……は?」



キス魔?

なんだよ、それ。


俺が怪訝な表情をしても、大輝はいたってマジメな顔で続ける。




「寝呆けたときだけ、な。だから翼は覚えてねーんだよ」


「は?意味わかんねー……」



誰かにキスした記憶なんて、ほんとにない。

絶対に、ない……。


そう否定しようとしたとき。



『あ、あたしのファーストキスを返して!』