日向くんの手のひらが離れたのをいいことに、あたしは光の速さでげた箱をあとにした。
教室について、ふらふらしながら自分の席へ向かう。
……どうしよう。
頭痛がしてきて、身体も重い。
「晴、おはよーっ!」
「おはよう、晴」
「晴ー!おは……わああ!?」
嬉しそうに駆け寄ってきてくれたしおりんに、抱きつく形で倒れこんでしまった。
こんなに体調が悪いのはやっぱり昨日の雨のせいかな?
……それとも。
日向くんに触れられたから、かな?
「晴!大丈夫!?」
心配そうなみんなの声を最後に、あたしは意識を手放した。