楽しそうに笑う大輝と、ちょっと怒ったように見てくる野々宮。
“翼くん”って、なんだよ。
はあ、と思わずため息をつくと、野々宮から鋭く射るような視線を感じた。
「日向、晴のこと好きなんだ?」
まるで“そうじゃなかったら晴に近づくのは許さない”とでも言いたげなその瞳。
そんな瞳に押されてか、俺の中のわだかまりがとけた気がした。
……そうか、市原さんが好き。
俺が鳴海に嫉妬してしまうのも、市原さんのいろんな表情が見たいって思うのも、全部。
市原さんが好きだからなんだ。
きっと1年の頃、初めて話したときから……つもってきた想いだ。