心なしか、頬も少し赤い。 身体は固まっているものの、目は動揺したように泳いでいる。 「あ、の……飲み物買ってきます!」 「……え」 少し声を張り上げた市原さんは、ガタッとイスから立ち上がった。 そのまま逃げるように、教室から出ていってしまった。 ……え、なにが起こった? 「翼くん♪意外と大胆だな、お前!」 「日向、晴になにしようとしたんだよ!」 市原さんが出ていったドアを見ていたら、近くからやかましい声が聞こえた。