「あ、ほんと?ありがとう、市原さん」


「い、いえっ!」



そんな会話をしながら、席替えが行われた。


大輝が野々宮の隣に座ると、ふたりしてノートをにらむように勉強を始めてしまった。




「………」



頬杖をついて、視界に入った市原さんを極力意識しないように、

何気なく鳴海と水沢さんの様子を見てみれば。




「あんたこんな問題もわかんないの!?」


「そんなこと言われても……」


「言い訳無用!……説明するからちゃんと聞いてね?」



騒がしくも勉強中みたいだ。


へえ……やっぱり仲いいんだ。




「……日向くん」