……ちゃんと勉強始めてる。


そんな様子に思わず口元が緩んでしまった。




「野々宮、ここわかる?」


「ん?……ああ、たぶん」


「マジ?じゃあ教えて」



いつの間にやら勉強を始めていた大輝と野々宮。


向かい合ってると言えど、対角線だから教えにくそうだ。




「流川くん!あたしと席変わる?しおりんの隣の方が教えてもらいやすいと思うから……」



控えめに口を開きながら、大輝と野々宮を交互に見る市原さん。


それはいい考えだと思う。



……けど。


ふたりが席を入れ替わると、必然的に俺の隣が市原さんになる。