「っわ、わかってるから!鳴海に言われなくても!」
強い口調でそう言った水沢さんはしぶしぶといった感じで、鳴海の向かい側に腰を下ろした。
このふたりって、よく喋ってるのに仲悪いのか?
「さて、始めますか!先生も帰ったみたいだし!」
俺の向かい側でバリッとスナック菓子を開け始めた野々宮。
……早速だな。
「あ、俺にもちょーだい」
「流川ってスナック菓子食うんだ?はい、どーぞ」
対角線に座っている野々宮と大輝が喋っていて、もうすでに勉強会の雰囲気がなくなった。
市原さんは困ったように目を泳がせたあと、数学の教科書を開いていた。