鳴海は自席のイスへドカッと腰を下ろしながら、そう言った。


空いてるのは俺の隣と向かい側、それに鳴海の向かい側だ。




「あたし晴の隣に座りたい!」


「じゃあ俺は翼の隣で~」



野々宮はすばやく市原さんの隣へ座り、俺の隣には大輝が座った。




「え、あ、あたしは……」



完全に乗り遅れたのは水沢さん。


焦ったように、どこか恥ずかしそう立ち尽くしている。




「どこって、ここしか空いてねーだろ!」



ビシッと自分の向かい側の席を指差した鳴海。


……まあ、確かにそうだ。