「悠里(ユウリ)、ルカお前らそこでいちゃつくなよ」

遠くから聞こえた笑ったその男はスーツ姿にアーモンドの形をした黒い瞳に長くも短くもない黒髪を毛先だけ少し遊ばせたとても見知った顔で。





「お兄ちゃん、久しぶり」

いつになっても妹の私を一番に気にかけてくれている兄。




「こんにちは、シンジさん」

わたしの下にいる彼がそう答える。




「悠里(ユウリ)、お前が俺にさんづけで呼ぶと気持ち悪い。
 即刻辞めろ。




 てかなんだか・・・
 

 ルカちょっと見ない間にお前、随分悠里になついたな」




私のほうを見ながら苦笑してくる。
久しぶりにあった妹への第一声がそれかよと思う。