「もともとは、美容師になる為に東京に出てきて、すぐにアパートで一人暮らしを始めたんです。でも、今年の初めに夜のお店でアルバイトをしているのがバレてしまって、そのアパートを追い出されたんです」
三井は「そうだろうね」と言い、ヘネシーを口に運んだ。
アパートによっては、深夜に部屋を出入りしたり、活動する住人をよく思わないケースがあることを三井はよく知っていたからだ。
「そこで住ませてくれたのが、幸治の家って訳だ」
「はい。家賃もいらないって言ってもらえて、すごく助かってます」
「そうだったのか。で、幸治君はどうだい?手伝ってくれそうかい?」
美帆はそう聞かれると急に俯き「いや、なんとも」と言ったきり黙り込んでしまった。
「まぁいい。美帆ちゃんは年はいくつだい?」
「20歳です」
「幸治君と一緒かい?」
「はい」
「一つ屋根の下で、血の通ってない同い年の男女か。なにかありそうだな」
三井はそう言うと、ニヤっと笑ってみせた。
美帆は多少顔を赤らめたものの、力強くそれを否定し、ヘネシーの水割りを一気に飲み干した。
三井はそれを見ると、今度は大口を開け笑った。そして安田を呼び言った。
「安田さん。幸治は、あなたの息子みたいなもんですよね?」
安田は、三井の正面で地面に膝をつき答えた。
「当たり前じゃねーか」
「じゃあ美帆ちゃんは、娘になるかもしれないっすね」
すると、安田も唇の端を吊り上げ、美帆を見た。
「そうあってほしいもんだな。」
美帆は、二人の目線から逃げるように俯き、顔を紅潮させた。
「もう。からかわないで下さい」
三井は「悪かったね」と言ったものの、まだ余韻が抜けなく、表情はニヤニヤしたままだった。
三井は「そうだろうね」と言い、ヘネシーを口に運んだ。
アパートによっては、深夜に部屋を出入りしたり、活動する住人をよく思わないケースがあることを三井はよく知っていたからだ。
「そこで住ませてくれたのが、幸治の家って訳だ」
「はい。家賃もいらないって言ってもらえて、すごく助かってます」
「そうだったのか。で、幸治君はどうだい?手伝ってくれそうかい?」
美帆はそう聞かれると急に俯き「いや、なんとも」と言ったきり黙り込んでしまった。
「まぁいい。美帆ちゃんは年はいくつだい?」
「20歳です」
「幸治君と一緒かい?」
「はい」
「一つ屋根の下で、血の通ってない同い年の男女か。なにかありそうだな」
三井はそう言うと、ニヤっと笑ってみせた。
美帆は多少顔を赤らめたものの、力強くそれを否定し、ヘネシーの水割りを一気に飲み干した。
三井はそれを見ると、今度は大口を開け笑った。そして安田を呼び言った。
「安田さん。幸治は、あなたの息子みたいなもんですよね?」
安田は、三井の正面で地面に膝をつき答えた。
「当たり前じゃねーか」
「じゃあ美帆ちゃんは、娘になるかもしれないっすね」
すると、安田も唇の端を吊り上げ、美帆を見た。
「そうあってほしいもんだな。」
美帆は、二人の目線から逃げるように俯き、顔を紅潮させた。
「もう。からかわないで下さい」
三井は「悪かったね」と言ったものの、まだ余韻が抜けなく、表情はニヤニヤしたままだった。