そんなこんなで、週末は初デート……のはずだったのに。


「ごめんねぇ、サトルくん。サイちゃんどうしても一緒に来たいって」

「サトルにーちゃん。遊ぼう! ゲームゲーム!」

「……いや、俺がうちに来てなんて言ったのが悪かったよ」

「ううん。私も外より中の方が落ち着くからいいの」


発端は俺が出したメールだ。

【週末どこか行かない?】

初デートに心を踊らせながらそうしたためると、脇からルイが覗きこんできて、「私、サユねーちゃんと遊びたい」と言い出した。


「いや、デートに妹は連れて行かない」

「うちに連れてこればいいじゃん」

「いきなり家になんか普通呼ばねぇだろ!」

「呼んでくれないなら、お兄ちゃんの秘密バラすから」


マジ顔のルイに俺は陥落した。しかしよく考えたら、俺はルイにバラされたらまずいような秘密など握られていただろうか。なんだか嵌められた気がする。


【いいよ。私もルイちゃんに会いたい】


サユちゃんからの返事は快諾。
ホッとしたような寂しいような半分半分の気分だ。

そして結果としてサイジも来て、今日は子守で終わりそうな予感がする。
やっぱりどんなにルイが脅してきても、最初のデートくらい外で無難にしておけば良かった。