サユちゃんは、困った顔で俯きながら、消えそうなほど小さなかすれた声を出した。
「好き」
超絶可愛い。心臓を串刺しにされたような衝撃だ。
遠回りも空回りもいっぱいしたけど、もうこれで報われた気分。
「俺も」
小さな体をギュッと抱きしめると、ふにゃりと柔らかい感触で頭がいっぱいになる。
彼女はおずおずと俺の背中に手を回した。
「大好きだよ、サユちゃん」
頭の上からそう囁くと、彼女は両手を伸ばして、俺の体を押し返した。
「も、無理。私、おかしくなっちゃいそう」
「俺はまだ足りない」
「駄目。恥ずかしくて死んじゃう」
そんなこと言われると可愛すぎてますます抱きしめたくなるんだけど、嫌われても困るから仕方なくサユちゃんを離す。
「……俺、今日からサユちゃんの彼氏でいいの?」
「う、うん」
「じゃあ、名前呼び捨てにしてもいい?」
サユちゃんは真っ赤な顔で上目遣いに俺を見る。