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『学級委員は、三年三組の教室に集まってください。繰り返します。学級委員は……』

放課後。学級委員は今後の学校行事についての会議があるらしく、放送がかけられている。
下校する奴らに、がんばれよーなんて言われながら、新見と夏目は筆記用具を持って教室を出て行った。

俺はといえば、放課後は部活だ。隣のクラスの颯を誘って部室へと向かう。
いつものように柔軟体操から始めて、軽いランニング、ダッシュ練習。練習メニューはいつもとかわらない。


「よう、ご苦労さん」


顧問の木下が、ひょっこり顔をだす。
先輩方のフォームをチェックし、ちょこちょこと指導を入れている。
その間、一年生である俺達はダッシュの練習だ。

走るのは好きだ。
百メートルという短い距離を、自分の鼓動をエンジンにして一気に突き抜ける。瞬間頭が真っ白になって気持ちいい。

最近、考えすぎていて頭が爆発しそうだったから、走ることが殊更爽快だ。
俺はそもそも、考えこむのは苦手なんだよ。


　かれこれ一時間半が経過し、部活も終盤。少し陰ってきたのか風が涼しく感じられる。


「おいっ」


その時、校舎の方から男の叫ぶ声が聞こえた。それが夏目の声に似ていたから、俺はとっさに声のする方に首を巡らせる。