「お前ー!」

「ばっかじゃないの。それは無いでしょ。だって告白した時、葉山先輩困ってたんでしょ?」

「そりゃ。……そうだけど。でも友達から、とかあるじゃん」

「既に友達なんだからその可能性は無いわ。あの人、人類みな兄弟って感じじゃん」

「う、まあ、……そうかな」


確かに、以前から仲は普通にいいんだもんな。
好意があったら告白されてあんな顔はしないか。


「それに、断るのに困ったりはしないんじゃないかな。中津川くん知らない? 葉山先輩って誰が告っても断られるって有名なんだけど」

「え?」

「あれだけ人当たりがいいのに、告白すると皆きっぱり断わられるんだって。有名ドコロだと、二年のサッカー部の東川先輩。格好良くて人気者らしいんだけど、だいぶ前に告白して振られてるらしいよ」

「そうなのか?」


東川先輩といえば、一年の時からレビュラー入りしているという超スポーツマン。もちろん女子人気は絶大だ。
あんな人に告られて断ってんのかよ、サユちゃん。


「うん。女子の間じゃ有名な話。誰にでも愛想よくしてるからって女子の間では葉山先輩って賛否両論なの。嫌いって人は本気で嫌いみたい」

「……そうなのか」


じゃあ、断れなくて困るってことはあんまり無いのかな。

だったら、何で俺は彼女の機嫌を損ねたんだ?
もしかして、俺の気持ちがバレちゃってそれでドン引かれているとか?