「ゆきちゃんちょっといい?」

「あ、はい」

声をかけてきたのは1番親しい親戚の人だった

「お金の事何だけどね、家計が苦しくて…ごめんね」

「大丈夫です、1人分くらいならバイトで」
「そぅ、本当にごめんね」

この人が今までくれてた生活費も全てみかのため

家計が苦しいなんて嘘だよね

本当に苦しい人が超高級ブランドのカバンなんて持って無いもんね
今まで優しくしてもらえたのはみかのおかげだったんだね



あたしはいらない子

そうだったんだよね最初から

もしかしたらお母さんとお父さんもそう思ってたかもしれない

何もかも失って
しかもいらない子で

こんなあたし生きてる意味あるのかな


聞きたく無くても聞こえてくる

「いらない子」
「いらない子」って

まるでそれはBGMのように

気付けば葬式は終わっていてここにいるのはあたしだけになっていた

あたしはその足でみかが死んだ病院に向かった

上手く看護婦さんたちを交わすと屋上へ向かった