キーツは夕方にはゲッチンゲンの家にたどり着いた。
両親はさほど心配していなかったようだ。

「どうだったラインは?」
と父が聞いた。

「ああ、少し荒れ狂っていたよ。何か気に入らないことが
あるみたいだ。特にシュバルツバルトのほうにはね」
と言っておいた。

早速みんなからのメールが届いていた。
案ずるなかれキーツカーンは健在なりだ。

オサムオサナイにはもう分かっていた。
ヨーロッパの異常気象でキーツカーンが
何かに巻き込まれるかもしれないと予測していた。

程なく全ヨーロッパに非常事態宣言が出た。
「キーツカーンがこの大洪水に巻き込まれそう
になっている。皆で祈りましょう!」

案の定キーツはナムストーンと叫びながら
危険が一杯のライン川をさかのぼっていたのだ。

テレパシーは感応し共鳴する。
強力なエネルギーを鼓動の中に感じて
キーツはこの難局を切り抜けることができた。

月日を経るごとにメンバーはナムストーンの力を、
とてつもない力を感じるようにになってきていた。