朝日さんは私を抱きしめたまま、後ろのベッドにもたれかかった。


そして、頭を優しく撫でてくれる。


「由梨ちゃん、僕ね。

こんな気持ちのまま、ありさと結婚なんて出来ない…」


私はびっくりして、身体を起こした。


「朝日さん…」


朝日さんの言葉に、急に不安が襲いかかる。


脳裏に浮かぶ、ありささんの無邪気な笑顔。


思わずぎゅっと朝日さんにしがみついた。


「由梨ちゃんは心配しなくていい。

俺とありさの問題だから」


「でも、責任を感じます…。

だって私さえいなかったら、二人は幸せに結婚していたはずですよね。

だから…、ごめんなさい…」


私がいけないんだ。


私が朝日さんを好きになってしまったから。


「由梨ちゃん、そうじゃないんだ…。

由梨ちゃんが原因じゃない…」


「え…?」


どういう…こと?


「僕の話、少し聞いてくれる?」


真剣な眼差しの朝日さんを見つめながら、私はコクンと頷いた。